1991年に発刊されモータースポーツ専門書としては異例の部数が市場に出回った「マツダチーム　ルマン初優勝の記録」は、その後売り切れ絶版となっていました。ルマン優勝20周年の2011年に復刻版を発刊する計画がありましたが諸事情により延期となっており、関係者の熱意によりようやくこのたび復刻版として発刊される運びとなりました。

この書は、マツダロータリーエンジンによるルマン24時間レース挑戦の歴史と、どのようにして勝利を手にするに至ったかのプロセスや背景を桂木洋二氏が膨大な資料と足を使った取材で紡ぎ上げ、マツダのエンジン開発エンジニアの船本準一氏がR26B 4ローターエンジンの解説を、当時マツダスピードのPR担当だった三浦正人がルマン挑戦ヒストリーを書き上げたものです。 先般発売されたピエール・デュドネがドライバーでありジャーナリストとしての視点でマツダのルマン挑戦ヒストリーをまとめあげたのに対し、本書はチームやマツダのエンジニアの立場から見た記録となっています。テキストはもちろんのこと、図版やデータ、画像を含め、原則として初版の内容をそのまま踏襲した復刻版ですが、装丁や紙質は現代基準のものを使っています。また、復刻版は新しいデザインの表紙カバーが採用されています。

今回は発行部数も少ないため、書店で目にすることも少ないかもしれませんが、マツダファンの皆様の書棚には是非加えていただきたい一冊です。

「マツダチーム　ルマン初優勝の記録」(三樹書房刊　2,400円+消費税)　目次
ドキュメント・ルマンにかけたマツダ・ロータリーの苦闘と栄光・・・桂木洋二
ルマンを戦ったロータリーエンジンの技術的変遷・・・船本準一
マツダチームの挑戦の歴史・・・三浦正人

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